艇体上部コーティング作業1日目は、足場組みと洗浄

(HAPPY艇よりの寄稿記事)

マスメディアで「失われた日本経済、デフレ圧力で物価上がらず」という解説をよく聞きますが、少なくともボート、ヨットにはこのデフレ圧力は当てはまらないと思います。それどころか価格高騰のオンパレードです。部品もさることながら新艇価格も凄い上がりぶりです。

例えば、私が乗っている「PONAM-35」の新艇価格(2016年)は、本体価格約58百万でしたが、今の価格は約80百万、この6年間で約40%値上がりしています。もちろん、この価格にはキャビン内操船追加、航海計器に代表される各種オプション費用は含まれておらず、そのままでは航海に出られません。

ですからフル装備となればオプション製品の価格に工賃が加わり、すぐに千万単位の追加予算が必要になってしまいます。2023年に同じ仕様の「PONAM-35」を発注すると、価格は軽く1億を超えてしまう事になるでしょう。このようにボート、ヨットの世界はデフレとは無縁の世界となっています。アマゾンで扱っているガラクタ類(大半が中国製)を見て、安い安い!と思っているうちに、その外では猛烈な価格上昇が起きていたんですね。

そのようなわけですから、現役引退して久しく時間がたった私にはこの高騰ぶりを見て、出るのは資金ではなくため息ばかりです。次期新艇選択はユーチューブ世界の仮想現実となりました。こうなったら、船齢7年目に入った「HAPPY」をもっと大切にしなくてはと思い、これまでのエンジン重点の整備に外観保持「ガラスクリア親水コーティング」(ウエビット社)のメニューも加えることにしました。まだツヤは残っていますが、FBにはじまる高所作業は落下事故のリスクを考えて十分できていません。

これから施工日数3日間の記録をNYOCニュースに上げたいと思います。葬儀業界と同様、マリン業界も価格については不透明な部分が多々あり、これからNYOCメンバーで愛艇整備を考えるオーナーがいらっしゃれば、この情報も参考になるかもしれないという思いからです。

掲載については業者(ウエビット社)さんからも許可を得ています。見積り額は総額55万(除くアルミハル部分)となっています。艇体も含めて全部とならば130万は覚悟しなけばならず、これは諦めました。

同社を選択した理由は、仁尾マリーナで販売用の中古艇磨きをしていた時の同社社長、スタッフの作業ぶり、応対がテキパキしていたからです。しかし、テキパキと出された見積り価格は地元価格の2倍超の水準、さらに施工技術の自信からか一切の値引きに応じない姿勢にもびっくりしました。7月の話です。

そして2ヶ月後、ようやくの初日作業は「足場設置」(別業者)から始まり、その後研磨剤入りシャンプーと手仕上げによる「再生ポリッシング」(含むエンクロ、ノンスリップデッキ)作業に移行、最後にケルヒャーの高圧洗浄機を使っての洗い流し作業とお見受けしました。

車のコーティングで言うなら1日目の作業は「洗車、下地処理」といったところでしょうか。

先ほど見てきましたが、やはり、足場を組んでの作業は丁寧な仕事ができますね。普段は手が十分に届かず洗い切れずワックスもかけられていないFB周辺の洗浄に関してはウエビット社に軍配が上がりました。他の部分は私と副長のダブルハンド仕事(洗浄、ワックス仕上げ)もかなりの域に達していると思いました。ポイントは足場組みが出来るかですね。

しかし、その費用(輸送費、機材レンタル、組上げと解体時の工賃)だけでも、3日間で10万ぐらいは覚悟しなけらばならず、足場組みを頼んだら自分で出来るかも?という野心は初日で吹っ飛びました。

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