2023年初夏クルーズ7日目は「壱岐島(芦辺港)」(対馬豆つ港経由して)
(HAPPY艇からの寄稿記事)
6月10日 8時10分に居心地の良かった「長板浦」(通称グリーンピア海浜公園ポンツーン)を出て、今日の泊地として予定している「豆つ(つつ)港」を目指しました。距離はわずかに28マイル、天候に恵まれ「神埼灯台」周辺で少々波に叩かれましたが、全体として海況すこぶるよろしく、9時30分に到着しました。
出発前に事前にこの「豆つ」港をGoogleマップでみて、ここは明らかに漁業基地、漁船が等間隔で並んで係船されており、空いているスロットがあっても決まった漁船が戻ってくるのだろうことが推測できました。実際に港に入ればまさにその通りでした。空いている場所に仮着けして漁協に挨拶に行きましたが、タイミング悪く水揚げの最中、忙しい手を止めさせての利用許可の挨拶なんで、「うちはプレジャーの利用は許可していないよ、どうしてもと言うなら波除フェンスの海側、そこに場所がなければ出ていくしかないよ」とのつれない返事が戻ってきました。「わかりました!」と頭を下げて、目的の「多久頭魂神社」にだけは参拝して、すぐに出て行くことにしました。
この神社は対馬における神社巡りでも価値ある神社として記されていますし、今回のクルーズ航海の安全祈願と、これまでの無事の感謝もしたかったので参拝を決行することにしたのです。もちろんその間に漁船が帰ってきたら大騒ぎになるのも覚悟しました。
実際に神社を訪れて見ると、少なくとも地元においては、敬神の対象にはあまりなっていない印象を受けました。それは境内が清掃されておらず、荒廃感さえ漂っていたからです。きっと専任の宮司がいないのだろうとも思いました。
ここにある梵鐘は神仏習合の時代にこの神社が「豆酘御寺(つつおん寺)」と称していた頃の名残りです。神社に鐘楼は普通ならセットものではないですから。明治政府の出した「神仏判別令」の結果、神仏習合をした寺、神社は寺格か神社格のどちらかの一方の選択を迫られました。その結果、ここでは寺を捨て神社を選択したのです。それは神社としての格式由緒が上だったからでしょう。834年に式内社・名神大社(式内社の中でも高い神威の神社)に叙せられた記録があった(説明看板に記載)からも格式の高い神社であったことが伺い知れます。
ほんの少々の滞在ではありましたが「豆酘」を11時05分にそそくさと出港、目指すは28マイル先の「壱岐島(芦辺港)」としました。1時間20分後の12時25分に着きましたが、ログを見ると「長板浦→豆つ」間と同じ距離でした、少し余計に時間がかかったのは波あたりが正面からであったことと、潮流のせいです。
目の前に「イオン」の看板が見える良い泊地ですが、壱岐島の泊地としては、「郷ノ浦」の市営桟橋の方がずっと良いです。今回は足便を考えて、街中にある「芦辺港」を選択しました。給油にきた地元のスタンド員によれば、「この岸壁にはよくプレジャーのボート、ヨットが来ており給油に何度も来ているが、1人でボートクルーズしている人は初めてだ」といって笑っていました。笑われるぐらいでちょうど良いです。変人扱いでは困りますから
係船手続き、あるいは予約などは徒歩5分ほどのところにある「芦辺港ターミナルビル」2階で行います。電話番号は0920-45-3011(芦辺合同海運)です。以下の写真はその際紹介された「芦辺港」で私が着けた岸壁以外の浮桟橋です。空いていれば開放していると教えてくれました。
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