コックピットドジャー納品しました!
(サンガレージからの寄稿記事)
皆さん、いつもお世話になっています。サンガレージの三崎です。NYOCニュースの場を借りて、今回初チャレンジ納品させていただいた「レクリューズ」艇向けの「コックピットドジャー」、「ウインチカバー」そして「ドッグハウス前カバー」についてご報告させて頂きます。勿論、オーナーのM様からは「きっとメンバー各位も関心のあるところなんで、ありのまま記事投稿していいですよ」の了解も得ています。
①現状
7年間使っていたとされるコックピットドジャーは、よく掃除がなされていましたが流石に防水機能は劣化、内側にはカビが生え、水のシミ漏れも起こっていました。使われていた生地は皆さんご存知の「サンブレラ」でした。この生地は伸縮性に富んでいるので縫製、セット後の補正が容易にできます。
ウインチカバーは「ゆうこうマリン」製のものでしたが補強糸入りのアクリル部が紫外線劣化でしょうか割れていました。
ドッグハウスカバーも同じくサンブレラ生地で作られていましたが、折り返しの縫製が切れ始め、そこから埃がたまっていました。おそらく外す度にガラス面の水洗いが必要となると思われます。
②対応
生地はサンブレラからフェラーリ社製のものに全て変えました。色もこの際「サンド色」に統一です。実はこのフェラーリ社製の生地についてはM様からの御指定でした。氏の会社テント倉庫で設置後22年、いまだに破れることなく風雨に耐えているという実績が理由でした。この生地は当社でも扱っており調達はできましたが、何しろ伸縮率ゼロパーセント、生地には分厚くPVC加工がなされて斤量も重く、更にアールを伴う細かな立体加工が難しいという三重苦的作業が強いられる生地となります。しかし、この生地で代替できればハードドジャー並みの耐久性を得られます。でも外したり畳んだりとなると、重くて固くて収納が大変です。
こうした議論も含め入念に協議を重ね、M様の忍耐力に期待しての作業着手でした。出来上がりは写真の如くですが、やはり伸縮しない生地に伸縮する糸を使うミシン加工では縫製部分に伸縮度の違いからくるひきつりが発生しやすく、その補正も難しいでした。
反省点としては旧生地(サンブレラ)を分解して型紙採りをしたことです。生地の伸び縮みでセット時の仕上がりを補正しているサンブレラから起こした型紙ではなく、実艇を改めて採寸しての型紙を新規に起こすべきだったと思っています。
③今後に向けて
実は当社への依頼品目の中で、最近急に引き合いが増えているのががマリン関係の仕事です。しかし、店舗用テント、トラックの幌といった直線中心の縫製と違い、マリン関係は小さい面積でもアールを伴う立体加工があり、また艇種も依頼内容も多岐に渡り、型紙の流用は効かない実質オーダーメードとなる作業となっています。
さらに今回の(伸縮ゼロ生地を使った)コックピットドジャー製作のような実験的ケースも多く、勉強しながらの作業になることもかなりあります。そんなわけですので、加工度、実験度の高いものについては、オーナー各位の皆様からの寛容力、忍耐力に期待しての受注となります!(笑)
最後になりましたが、今回「レクリューズ」様にはコックピットドジャーの製作という勉強の機会を頂戴したことに御礼と感謝を申し上げます。だいぶコツがわかってきましたので、次回はもっと良い仕事をさせてください。
事務局より
修理、メンテナンスのシーズンに入ってきました。マリーナの船台予約は早めの方が良さそうです。また、メンテ情報はメンバーの関心度が高い記事となります。場合によっては、事務局が取材に伺いますので仰ってくださいませ!
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